神奈川県剣道連盟 杖道部会

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杖道について

杖道の特徴

一 杖の変化

杖道は杖を武器とする武道である。杖は長さ四尺二寸一分(1.28メートル)直径八分(2.5センチ)の樫の丸木で、みるからに平々凡々たる武器であるが然し一度動けば槍となり薙刀となり太刀となる。その千変萬化するところに偉大なる特異性がある。

伝書に曰く「突けば槍 払えば薙刀 持たば太刀杖は かくにも外づれざりけり」とあるとおり「突き」、「払い」、「打ち」を技とし、左右両技を等しく使うのが特色である。「返し突き」、「返し払い」、「返し打ち」など左に応じ右に応じ払えばたちまち打ち突くなど左右の技を連続的に使い、敵をして応接に、いとまなからしむるものである。この練習をつめば四尺二寸一分の杖を自己の手足のごとく操作し相手の動作に応じ体を転じ、凶器、持物を打落し、攻め、また虚を打ち、その瞬間に打倒す等、時と場所に応じ剣となり、槍となり、あるいは薙刀の妙技を発揮し又柔術の当身、逆技等のはたらきをする。

二 杖の形と指導精神

杖の形は真剣形といわれ、表業、中段、乱合、影、五月雨、奥伝、秘伝として六十四本あり、この形は非常に精錬されたもので、いわゆる武道の先、先の先、逆の逆と言ったところをその根本機構としている。尚、更に注意すべきところは「武」の本領をその指導原理としているところである。すなわち「傷つけず 人をこらして戒しむる 教えは 杖の外にやはある」 杖は円形であり先も後もない。時には先となり、時には後となり、見るからに平凡であり平和である。その技は先を取り裏を利し虚々実々の妙と神技を有しながら、その表現は美であり雅である。武道としては最も非攻撃的であるが、一度動けば電撃の勢いを生じ千変万化する術を蔵している。しかも平和なうちにも偉大なる武の徳を本体としており、ここに杖道の指導精神である「錬武」の本質的特異性があるのである。

三 杖道の目的と効果

杖道は精神の修養と身体の鍛練を第一義とする。杖道は決して手足の業ではなく心の業である。即ち精神を根本とするのであるから如何に形の順序を覚えて操作し功妙、快速を極めても精神的運用がともなわなければ、その奥義に到達することはできない。従って言葉や文字で説明できない「以心伝心」的に伝えられるものである。杖道は精神の修養と身体の錬磨という二大効果があるが、その徳目を明示すると

一 礼儀、信義、誠実、質素等の精神を養成する。
二 身体強健にして敏捷活発な動作となる。
三 姿勢、態度が正しく自ずから冒し難い風格を備える。
四 判断力、決断力、とが蓄積され、自信を以て事にあたれる。
五 人間関係を助長し期待される人間像となる。

四 杖の応用

杖の形は流祖の苦心惨憺の結晶であり、これを体得することは最も大切なことであるが、近年「武と体育」について、専門家の間にも異論があり、その解釈には、なかなか問題があるが、国を離れ生活から離れては武も体育もあり得ない。即ち現代社会生活に生きる武道であり杖道でなくてはならない。杖道は承知のごとく合理的な武道であり老幼男女を問わず各学校の体育的訓練の具として、或いは杖道体操、或いは各種の遊戯、舞踊、剣劇等にも創意工夫され、その使用価値は極めて称賛されている。このように杖の使い方の応用範囲は限りないが、杖道はあくまでも日本古来の武道であり、その指導精神を誤らぬよう付言して杖の応用範囲の極めて広い事をその特異性の一つとして紹介する。

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